【情報共有】電磁波測定器・EMFメーターの測定数値の判断基準

EMFメーターとは?測定する単位と基本知識
EMFメーターは、電磁場(電場・磁場)の強さを測定する装置です。
家庭で使われる一般的なEMFメーターは、以下の2種類の電磁場を測定します。
家庭で使われる一般的なEMFメーターは、以下の2種類の電磁場を測定します。
①「低周波(50/60Hzまたは20~100kHz)」=電源や電化製品から発生する電場(V/m:ボルト毎メートル)や磁場(μT:マイクロテスラ、またはmG:ミリガウス、1μT = 10mG)。
②「高周波(RF、数百kHz~GHz帯)」=Wi-Fiや携帯電話の電波など、パワー密度(μW/cm²:マイクロワット毎平方センチメートル)で測定。
安全性の目安として、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)のガイドラインを参考にします
「低周波磁場」=一般人向け基準は100μT(50/60Hz)または6.25μT(20~100kHz)。
「高周波」=10μW/cm²以下(2.4GHz帯)。
家庭では、これらの基準値の1/10以下(例:1μT、0.1μW/cm²)を目安にすると安心です。以下では、各電化製品の測定例と判断基準を詳しく見ていきます。
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1. 電子レンジ(マイクロ波と電源の電磁場)
測定される電磁場
電子レンジは2.45GHzのマイクロ波(高周波)を使用し、食品を加熱します。また、電源部から低周波(50/60Hz)の電場・磁場も発生します。
測定時のポイント
高周波=ドアの隙間やシール部分から漏洩するマイクロ波を測定(パワー密度:μW/cm²)。通常、30cm離れた位置で0.01~0.1μW/cm²。
低周波=本体近くで0.5~2μT(5~20mG)。
安全基準=ICNIRPでは高周波で10μW/cm²以下、低周波磁場で100μT以下。
判断方法
高周波=0.1μW/cm²以下なら安全。1μW/cm²を超える場合は、ドアのシール不良や破損の可能性があり、点検が必要です。
低周波=1μT以下なら問題なし。10μTを超える場合は異常で、修理を検討。
対策=使用中は30cm以上離れる。ドアの表面や隙間を重点的に測定。
2. 電磁調理器(IHクッキングヒーターなど強力な中周波磁場)
測定される電磁場
IH調理器は20~100kHzの中周波磁場を発生させ、鍋を加熱します。電場はほぼ無視できるレベルです。
測定時のポイント
低周波磁場=調理器表面で10~100μT(100~1000mG)と強力。50cm離れると1μT以下に低下。
安全基準=ICNIRPの一般人基準は6.25μT(20~100kHz)。
判断方法
調理器表面=10~50μTは正常だが、近距離での長時間暴露は避ける。
1m離れた位置:0.1~1μT以下なら安全。10μTを超える場合は機器の故障を疑う。
対策
調理中は50cm以上の距離を保つ。ペースメーカー装着者は使用前に医師に相談。
調理中は50cm以上の距離を保つ。ペースメーカー装着者は使用前に医師に相談。
3. テレビ:低周波とWi-Fiの電磁場
測定される電磁場
現代のLED/LCDテレビは低周波(50/60Hz)の電場・磁場を発生します。スマートTVはWi-Fi(2.4/5GHz)による高周波も発します。
測定時のポイント
低周波=30cm離れた位置で0.1~0.5μT(旧型CRTテレビは1~5μT)。
高周波=Wi-Fi使用時、1m離れた位置で0.01~0.1μW/cm²。
安全基準=低周波磁場100μT以下、高周波10μW/cm²以下。
判断方法
低周波=1μT以下なら安全。5μTを超える場合は異常(点検が必要)。
高周波=0.1μW/cm²以下なら問題なし。1μW/cm²を超える場合はWi-Fi設定を見直す。
対策=視聴距離(1~2m)を保つと電磁場はほぼ無視できるレベル。
4. PC(パソコン):電源とWi-Fiの電磁場
測定される電磁場
デスクトップPCやノートPCは、低周波(50/60Hz)の電場・磁場と、Wi-Fi/Bluetooth(2.4/5GHz)の高周波を発生します。
測定時のポイント
低周波=デスクトップの電源ユニットやモニターで0.2~1μT(30cm離れた位置)。ノートPCはキーボード上や底面で0.1~0.5μT。
高周波=Wi-Fi使用時、0.01~0.1μW/cm²。
安全基準=低周波100μT以下、高周波10μW/cm²以下。
判断方法
低周波=1μT以下なら安全。5μTを超える場合は電源ユニットやケーブル配置を点検。
高周波=0.1μW/cm²以下なら問題なし。1μW/cm²を超える場合はWi-Fiをオフに。
対策=ノートPCを膝上で使う場合、台やスタンドを使用して直接接触を避ける。
5. スマートフォン:通話時の高周波に注意
測定される電磁場
スマートフォンは携帯通信(800MHz~2.6GHz)やWi-Fi(2.4/5GHz)による高周波が主。低周波磁場(バッテリーやスピーカー部)は微弱。
測定時のポイント
高周波=通話中は頭部付近で0.1~1μW/cm²。待機時は0.01μW/cm²以下。
低周波=0.1~0.5μT。
安全基準=SAR(比吸収率)は2W/kg以下(頭部・体幹)。低周波磁場100μT以下。
判断方法
高周波=1μW/cm²以下なら安全。10μW/cm²を超える場合は電波環境や機器の点検を。
低周波=1μT以下なら問題なし。5μTを超える場合は故障の可能性。
対策=通話時はイヤホンやスピーカーモードを使い、頭部への高周波暴露を減らす。
測定時の注意点と安全な使い方
・距離を保つ=電磁場は距離の2乗に反比例して減少します。30cm~1m離れた位置で測定し、基準値を超える場合は距離をさらに取る。
・環境に注意=他の電化製品や電線が近くにあると測定値に影響します。対象機器単体での測定を心がける。
・メーターの仕様を確認=安価なEMFメーターは精度が低い場合があります。測定可能な周波数範囲(低周波/高周波)を確認。
・異常値への対応=基準値を大幅に超える場合、機器の故障や設計不良を疑い、点検・修理を依頼。長時間暴露を避けるため、距離を保つ。
・健康への影響=現在の科学では、家庭用電化製品の電磁場が健康に重大な影響を与える証拠は限定的です。
各機器の電磁場数値と判断基準(まとめ)
(まとめ) 電磁場を正しく理解して安心な生活を
電子レンジやスマートフォンなどの電化製品は、現代生活に欠かせないものですが、EMFメーターを使うことで電磁場の強さを把握し、安全性を確認できます。
測定値が基準値(ICNIRPの1/10程度)を大きく超えない限り、通常の使用で健康リスクは低いと考えられます。
ただし、異常値を見つけた場合や電磁波に敏感な場合は、距離を取る、Wi-Fiをオフにする、専門家に相談するなどの対策を講じましょう。
測定値が基準値(ICNIRPの1/10程度)を大きく超えない限り、通常の使用で健康リスクは低いと考えられます。
ただし、異常値を見つけた場合や電磁波に敏感な場合は、距離を取る、Wi-Fiをオフにする、専門家に相談するなどの対策を講じましょう。
*本記事は、2025年5月19日時点の情報に基づいています。電磁場の健康影響に関する最新研究や基準は随時更新されるため、信頼できる情報源(ICNIRPや厚生労働省など)を参照してください。
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